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パスワードの「長さ vs 複雑さ」論争に終止符——エントロピーで正しく理解しよう

パスワードの強さを決める長さと複雑さの関係をエントロピーで定量解説。NISTの最新ガイドラインも踏まえ、本当に有効な作り方を解説。

長さと複雑さ、どちらが「強さ」に貢献するか

パスワードの強さを測る指標が「エントロピー」だよ。ビット数が高いほど解読に時間がかかる。エントロピーは次の式で計算できる。

エントロピー = log₂(文字種数) × 文字数

文字種数の影響(複雑さ)

文字種 文字種数 1文字あたりのエントロピー
数字のみ 10 3.3ビット
英小文字のみ 26 4.7ビット
英大小文字 52 5.7ビット
英大小文字+数字 62 5.9ビット
英大小文字+数字+記号(94文字種) 94 6.6ビット

長さの影響

10文字 × 6.6ビット = 66ビット 20文字 × 6.6ビット = 132ビット

10文字増えると2倍ではなく、解読試行数は2の66乗倍(天文学的な差)になるよ。

直接比較してみよう

パスワード 文字種 長さ エントロピー
P@ssw0rd 94種 8文字 53ビット
correcthorsebatterystaple 26種 25文字 117ビット
xK9!mPqR 94種 8文字 53ビット
random16charslower 26種 18文字 84ビット

「P@ssw0rd」は記号と数字が入っていても8文字しかないから、25文字のパスフレーズより圧倒的に弱いね。

NISTの最新見解

NIST SP 800-63Bでは2017年改訂以降、以下を推奨しているよ。

  • 最低8文字以上を必須とする(推奨は16文字以上)
  • 複雑さルールを強制しない(記号必須などは不要)
  • 定期変更を強制しない(漏洩が確認されたときのみ変更)
  • 辞書チェック漏洩リストチェックの方が有効

結論:長さ優先、複雑さは追加ボーナス

実践的な優先順位はこうなるよ。

  1. 16文字以上を目標にする(最優先)
  2. 完全にランダムな文字を使う(辞書単語NG)
  3. 可能なら複数の文字種を含める(追加効果あり)
  4. パスワードマネージャーで管理して使い回さない

複雑さのルールに縛られて短くするより、長くてランダムな文字列の方が数学的に強いよ。このことを覚えておこう。

● よくある質問
Q.記号を必ず入れないと強いパスワードにならない?
記号を入れると文字種が増えてエントロピーは上がるけど、長さの方が効果が大きいよ。20文字の小文字のみのランダム文字列は、8文字の英数字+記号より強いくらいだね。
Q.NISTは定期変更を推奨していないって本当?
本当だよ。NIST SP 800-63Bの2017年以降の改訂では「漏洩の証拠がない限り定期変更を強制しない」と明記されてる。むやみな定期変更はかえって弱いパスワードを生む傾向があるとされてるね。
Q.大文字・小文字・数字・記号の4種類を使わないといけないの?
多くのサービスがポリシーとして求めるけど、セキュリティ的には「長さ」の方が重要だよ。NISTも複雑さの要件より長さを優先することを推奨している。